原研哉「デザインのデザイン」の東京論がぐう納得

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デザインのデザインという本

「デザインのデザイン」というタイトルの通り、この本はデザインとは何かを原研哉のいくつかの仕事を通して見つめる本である。

なぜデザインするのか、という問いに答えられない諸君は一読の価値あり。

読みやすくも多くを語る名著。要約するには惜しい本で、一つ一つ噛み締めるように読んでもらいたい本である。

中でも、東京について語った一節は至高なので引用したい。

東京について語ったカルチャーは有象無象あるがその中でも飛び抜けており、これほど言い当てたと感じたことは僕はない。

東京は好奇心が旺盛な街だ。世界のどの都市よりも他の文化から情報を集めることに熱心である。

そしてそれらの情報を丁寧に咀嚼して世界に起こっていることをリアルに理解しようと勤勉な知性を働かせている都市でもある。

自分達の立っている場所が世界の中心ではない、そしてもとより世界の中心などないのだという意識がその背後には動いてるような気がする。

だから自分たちの価値観で全てを推し量るのではなく他国の文化の文脈に推理を働かせつつそれを理解しようとする。

しばしば「いかにも岩波書店」な思想が垣間見えるが、この鋭い視点を持っている原研哉から発せられる言葉なのであれば傾聴してみようと思った。そんな名著だった。

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