column
シータートル
漫画は供給過多などではなく、むしろまだまだ足りていないという暴論を展開しますの巻。
富は人の多いところに集まる
- 確かに個々の作品のクオリティは90年代くらいをピークに成長が鈍化している
- しかし、より多様な漫画が読めるようになり、自分に刺さる一冊が見つけられるようになった
- 生き方が多様化した以上全員に同じ物語が刺さる訳がなく時代にもマッチしている
歴史が証明している
- クソゲーを駆逐するためにロイヤリティを引き上げた任天堂が、プレステに逃げられた
- Twitterがどれだけ改悪アップデートされたところでMastodonに人は流れない
- 資本主義国家は社会主義国家より豊かになった
漫画の地位はどんどん上がっている
- 個々の漫画やクリエイターの地位が上がらなくても、全体で全体としての価値が高まった
- みんながインターネットに触れて、コンテンツに触れるようになり、オタクだけのものではなくなった
- それは供給量が増えたから
島宇宙化
漫画のファッション化
- 読んで楽しむものから、スタイルや主義主張を表現するものになった
- オタクのものからより一般人のものになったとも言える
- LINEのサムネイルにしたり、キャラクターのキーホルダーにしたり
- スタイルのある漫画が求められている
自分探しが何より面白い
- たくさんある中から一つを選ぶ面白さ
- その過程で自分を見つけていくことが何よりも楽しい
- 漫画そのものを楽しんでいる訳では必ずしもない
- 結局他人に遊ばされるよりも自分で遊びたい
なろう小説全部同じに見える問題
- それはなろう小説が刺さらないから
- アイドルが全員同じ顔に見えるのはアイドルが好きじゃないから
- なろう小説やアイドルを好きな人は、自分の好みをより深掘りしたい、細かい差異を楽しみたいと思っている
- なろう小説やアイドルが好きでない我々も、また別の島宇宙には属しているのではないだろうか
全方面に正しく受けるコンテンツを作る必要はない
- 恋愛モノに出てくるヒーロー・ヒロインにリアリティがないという批判はナンセンス中のナンセンス
- そんなものその島宇宙の住人は求めていないのである
- 誰を幸せにしたいのかをはっきりすべし
スケールの大きい夢物語は死んでしまったのか
- テレビ番組は進化の過程で豪華さを殺してしまった(生放送で毎日新品のセットを破壊するコント番組など、今はもうない)
- 進化は全てを保持したまま進化する訳ではない
- 需要はどんどん低下しているとは言えまあまだ死んではいないかな
一人当たり取り分がへるけどどうするよ
- 供給が増えて需要も増えたがとは言え一人当たりの取り分は鈍ってきた
いきなり専業作家を目指すのは違うかも
- ツールの進化や情報のオープン化で漫画の学習コストは下がっていく。これまでもこれからも
- 専業作家にならなくても描けるはず
徐々に山を登っていく
- コマ割りや作画やストーリテーリングの技術だけでなく、ちゃんと読者の芯を捉えるセンスが求められる
まずは島宇宙に属する
- まず自分が所属できる島宇宙を探す。趣味とかレベル感とか、馴染むものを探しまくる
- そしてその島宇宙の内需を満たす。内需を大きくすることは大事。富は結局人の多いところに集まる
- 他人の猿真似でもいい。島宇宙は似たもののちょっとした違いを求めている
- 島宇宙の中でトップに立った人はよりパイの大きい島宇宙に上がっていく
- そうした先に万人が消費するコンテンツがある
- 島宇宙が求めていないことにはエネルギーを割かない。時間だけが過ぎる
勝者総取りでなくなる
- 繰り返しになるが、個々の作品の価値は低下するが全体としての価値は上がる
- 自分の代わりはすぐ現れる。言い換えれば誰かの代わりに自分もすぐなれる
供給爆発時代にやってはいけないこと
どこの島宇宙にも属さない
- なんのスタイルかわからない作品、というものは受けにくくなった
- そもそも読まれるきっかけがない
- 何のジャンルの話なのかを明確にするべし。タグをつける
- 誰に読んでもらいたいのかまで明確になっているとよい
- 逆にパイが小さすぎると感じるのであればもう少し大きなパイを狙えないか
作品を外に出さない
- はじめは小さな島宇宙の内需を満たせばよい
- それから実力が伸びるとともにターゲットを広げて行く
- 何が受けるかは出してみないとわからない
いきなり巨大な島宇宙に乗り込もうとする
- まず実力がないと相手にされない
- 万人ウケするものだけ作っても自分の得意分野が見つけられない
- 大作を真似るのは制作に時間が掛かりがちで実力をつけにくい
更新ペースが遅い
- 反応を見てフィードバックすることが重要
- 名前を覚えてもらうのが大事
求められていないことにエネルギーをかけ過ぎる
- 島宇宙化というのは要するに「選択と集中」
- 個々人が選択と集中をすることで全体の多様性を保つ
- 島宇宙が何を求めているかを読み取る