AKIRAまでの大友克洋と、それからの大友 〜「MEMORIES」を改めて観て思ったこと(2)

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こちらの記事の続きです。

MEMORIESの感想から!

大砲の街最高。友達となんで打ってるのか話し合いまくった。

http://cinema.intercritique.com/movie.cgi?mid=4060

これは、音楽のアルバム聴く感覚で見てほしい。

あのね、エンドロールがすげー良いの。

とは言え「エンドロールだけでも見てほしい」という言い方はしたくなくて、アニメ本編を順番に見てほしい。

オムニバス映画です。

彼女の想いで、最臭兵器、大砲の街、エンドロール。

1作目が長く、2作目は少し短く、3作目は更に短い。

尺に反比例して作品のボルテージが高まってく。

この加速度的にテンションが上がっていく構成はどこかLIVEのようであり、バラバラに作品を追っても本質を見落としそう。

いや後ろ二つの作品は好きな作風ではある。

が、考察のしがいがある作品ではなかった。

派手なことやって受けた人が、地味なことをやるとコレジャナイ感というのをどうしても視聴者は受けてしまう。

視聴者はバカなのですぐ過去の作品と比べようとしちゃう。

このガチの作画で来るなら、話ももっと抽象的であってほしかったかなと思います。

短編だからこそ、行間を読む体験がしたかった。

もっとマーケティングのうまい人が大友のそばにいれば・・・(ジブリの鈴木敏夫みたいな)

いやでもね、この三本の繋げ方+エンディングは、僕は全く観たことない構成だった。

それにいいシーンはたくさんあった。

エンディング、石野卓球の最高傑作じゃない?

大砲の街のラストがそこに繋がっていく瞬間。ぞくっとした。

点数を付けるタイプの映画ではない。というかこれは映画じゃない。僕は過去に「未来世紀ブラジル」は映画ではないという記事を書いたが、その基準で僕はこれも映画ではないと思う。幸い日本にはOVAという文化があった(過去形)ので、そのイメージ、と簡単に語ることができる。

大友克洋、音楽PVのプロデュースやってほしいなあー。

続きます。第3回は、大友克洋のもう一つの功績、海外への影響について語ります。

第1回: 大友克洋が漫画界に残した功績について
第2回: 映画「MEMORIES」の感想
第3回: 海外の漫画事情と大友克洋
第4回: 「AKIRA」以降の大友克洋
第5回: 大友克洋待望論はなぜ定期的に湧き上がるのか

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