こちらはイベントの参加レポになります。本編の感想はこちら
はじめに
たまたまKindle Unlimitedで見かけた「いまさらですがソ連邦」という本が面白かったので、刊行記念イベントへ参加。
スピーカーは速水螺旋人(漫画家)、津久田重吾(作家、設定考証)、やまむらはじめ(漫画家)のお三方。「いまさらですがソ連邦」は速水・津久田両氏の共著で、やまむらはじめ先生は東欧ファンタジー漫画「姫ヤドリ」を連載中の作家。神様ドォルズを描かれた人でもあります。
本編
箇条書きです。間違っているところがあればこちらまでお知らせください。
- 「いまさらですがソ連邦を読んでない人っています?」「いないですね」「姫ヤドリを読んだ方は?」「半分くらい?」「読んでない人は人民の敵ですね」
- 「ソ連オタクにも色々な切り口があるので、話が合わなかったりするんですよね」
- 「お酒を飲んでもらえると僕らにお金が入ります。僕らは資本主義の国の住民なので」
- 「姫ヤドリの舞台は架空の国にすれば重くなく描けるなと思った」
- 「東欧でも、ハンガリーか、ポーランドか、チェコスロバキアかで違う」
- 「時代考証とか、調べすぎないのも大事だよね。それっぽく作るセンスの方が大事」「説得より納得」「僕はカーテンの柄まで調べたことあるけどね(笑)」
- 「ハンガリーの鉄道マニアとか日本で10人くらいしかいないだろうから、真面目に調べてもしょうがない」「日本の鉄ヲタは日本の鉄道にしか興味がないんだよね」
- 「マジャール語(ハンガリー語)は他のヨーロッパの言語と全然違う」
- 「サイレンの音が特殊」観客「あ〜」僕「いやわからんわ・・・」
- 「YouTube で銃声を調べてる」
- 「ブラックラグーンの広江先生のリサーチはすごい」「ここ合ってますかね?というメモ書きが色々入ってるんだけど、全部合ってる」(広江礼威先生の下書き原稿を見せて頂いた!!)
- 「一番難しいのは普通の人の生活を描くこと」
- 「70年代のファッションがダサすぎてリアルに描けない」「特に東側はひどい」
- 「町と街の間の道が難しい」「Googleストリートビュー使うけど、当時からあるものなのかわからない」「今は道が綺麗になっているからね」
- 「ソ連の建物って全体的に彩度が低い」「戦争の跡なんじゃ?」「なんかね、掃除が行き届いてない感じ。ゴミだらけではないんだけど」「看板がない、というのはソ連の特徴かも」
- 速水先生の建物の絵の描き方の話。速水「定規を使うのが面倒なんだよね」やまむら「定規で書いた後に手書きで書きますね」
- 「市民を描くのは難しい。軍隊に戦争させるのが一番簡単」「学園ものが簡単なのと一緒」
- 「ルーマニアには魔女がいる」
- 「ソ連には超能力者部隊があった」
- 「僕は国境マニア。ノルウェーとロシアの国境に行ったら、同じマニアの日本人がいた(笑)」
- 「ロシアで面白い人はだいたい KGB」
- 東ドイツのトラバント(ファイバー製の車)の話。
- 「日本兵と今時の絵は相性が悪い」「日本兵の足が長いのに違和感がある」
- 「コットンと今の漫画は相性が悪い」
- 「綺麗な軍服には萌えがない」「ボテボテの服が見たい」「ブーツに乾いた泥をつけるのが大好き」
- 「化学繊維が出てきてからは綺麗になった」「折り目がつかない」
- 「前線の軍隊は綺麗に歩いてなんかいない。宮崎駿もそこを分かっていた」
- 「ソ連軍というのはいろんな人種がいる。ロシア人ばかりではない」「金髪で黒い瞳のロシア人もいる」「カタール人とか」
- 「偽ロシア語を考えている。ハクビシンとか」
- 「牛乳が個体で売ってる地域がある」
- 「ウラジオストクの卵は白身が美味しい」「牧草に化学薬品を使うようになると不味くなる」「農薬を使うと動物の皮も劣化する」
- 「ソ連人は全粒粉パンよりライ麦パン」
- 「モスクワと名古屋は似ている。あの地下の広さが」
- 「美少女がおばさんになってタルになってしまう、というステレオタイプなロシア人像」
- 「ソ連人は助手席で酒を飲んでいる」
- 「(時計を見て)もう時間ですね」「これソ連製じゃないの?」「笑」
- 「資料はどうやって調べるか?」「まず日本語で調べて、英語で調べて、 マジャール語辞典を結局買った」
- 「YouTube は割と使える」
- 「現地にも行く」「生きたものをそのまま描いていれば SF になる」
- ロケット開発に夢がなくなった、という質問に対して「ロケット開発は今でも夢がある」「ロシアの開発者はマジで話が長い」
- 「資本主義になったからといってすぐに利益主義に走れるわけではない」「エリツィン時代はやりたい放題だった」
- 「今のウクライナとエリツィンは似ている」
- 「くじ引きでプレゼントを決めます」「アメリカの徴兵検査と一緒ですね!」
感想
いち漫画描きとして、時代考証の必要な漫画の描き方というか、向き合い方を学べたのは大きな収穫でした。
好きなものを漫画にすることのロマンを感じました。
初・阿佐ヶ谷ロフトAでした。新宿のロフトプラスワンの方は以前行った事あるんですけどね。