もう孫悟空やルフィのようなキャラは出てこないんだろうな

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なぜ?

A.時代に合わないから。

そもそも孫悟空やルフィとはどんなキャラクターか?

自分自身にはコンプレックスや解決すべき課題を持っておらず、

仲間や世界を救うこと、あるいは自己実現が存在理由になっているキャラクター。

でも、それはもはや時代に合わないのだ。

で、なんでそういうキャラは時代に合わないのか?

1. 頭が悪い

頭が悪くても成功できる世界はもう残されていない。

社会がそうだし、学校だってそうだ。

かつては喧嘩が強かったり、根性があったり、スポーツが上手いやつが人気だったのかもしれない。

だが、今はコミュニケーション能力が高く、上手く立ち回るヤツの方が圧倒的に人気を集める。

面白いことの1つや2つ言えなければすぐイジメの対象になる。

幼いうちから極めて高度な知的コミュニケーションを求められる。

だから、「頭は悪いが最強のキャラクター」というものにリアリティを感じることができない。

2. 上昇志向

経済成長は完全に終了し、「努力すれば上に行ける」という幻想は崩壊してしまった。

努力はなかなか報われず、生まれた瞬間に自分のポジションがかちっと固定された。

はじめから諦めてしまっているのだ。

近年のオタクカルチャーの台頭も、もはや自分がステージに上がることよりも、

他人の夢に乗っかり、またその同胞と繋がる方が楽しいと感じることになったことにある。

上に行くことで何が得られるのかも分からない。

上昇志向を持つことのコスパが悪いと思われているのだ。

コンプレックスを満たす方法の一つには自分を高めるという方法があるが、それが最早どう実現されるかも分からない。

では今どのようなキャラクターが求められているか。

端的に言えば、今求められるのは、救済である。

コンプレックスの克服であったり、あるいは自分たちの安全や平和な日々を脅かす敵から身を守る物語だ。

こういった物語は、ゼロ年代、越前リョーマやゴン=フリークスのように、父親にコンプレックスを持っていたり、作中に主人公より強いキャラクターがいることが明示されたりするところから始まった。

そこから更に時代は進み、暗殺教室やヒーローアカデミアのように、「平均以上に落ちこぼれている主人公」というものすら現れるようになった。

あるいは進撃の巨人やテラフォーマーズのように、好き好んで冒険に出るのではなく、圧倒的危機から自分たちを守るために止むを得ず冒険に出るという話も増えてきた。

ライトノベルは、「落ちこぼれの主人公が異世界に転生して無双する」という構造になっているが、これも読者のコンプレックスに寄り添う必要があるためであろう。

でも本来先進国とはそうなのだと思う。例えば欧米の子どもたちに支持されてきたハリーポッターやスターウォーズは、日本の伝統的な漫画に比べると単純なストーリーではない。

伝統的な漫画は、主人公とコンプレックスを抱えているキャラが別々にいることが多かったが、近年は、コンプレックスを抱えた者こそ主人公であるということが多い。

追記

「では、ドクターXが大ヒットしているのはどうやって説明するの?」という反論を頂いた。

一応分からない人のために説明すると、ドクターXとは日本のテレビドラマシリーズで、毎回視聴率20%を超える化物番組である。

この主人公である大門未知子(米倉涼子)は、全く惑わない、常に最強な医者である。

まさしく、ルフィ・孫悟空型主人公である。ただし医者なのでバカではないという細かい違いはある。

で、頂いた反論に戻るが、これは明確に答えは出ていて、

ドクターXの支持層は、中年だ。

古い価値観を信じて生きて逃げ切った世代が、ドクターXを支持しているのだ。

それは、この記事で言及した若者とは、全く異なる世代である。

この記事で言及したのは、漫画の主人公として相応しいキャラクターで、特に少年漫画について描いている。

中高年は漫画を読まない。漫画を読むような若者や感受性の強い人間にはドクターXは受けないだろう。

ちなみにドクターXは、Amazonビデオでオンデマンド視聴できる。

中年受けとは何かを知りたい人は、見ることをお薦めする。

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